「薄力粉」や「片栗粉」は様々な料理に活躍するため、家に常備しているという人は多いでしょう。しかし具体的に、薄力粉と片栗粉って、どこが違うのでしょうか?
見た目はほぼ同じに見えますが、じつは特徴や使い方は全くの別もの。
もしもストックを切らしてしまった場合、薄力粉を片栗粉で、片栗粉を薄力粉で代用できるのかどうかも含めて、紹介していきます。

薄力粉や片栗粉って気づいたらいつの間にか無くなってるから、代用できるならありがたい!
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薄力粉と片栗粉の違い
まずは薄力粉と片栗粉の違いについて、簡単に見ていきましょう。
薄力粉と片栗粉の違いは、
・溶けやすさ
・透明感
・風味
・食感
です。
原料の違い
これはあまり勘違いしている人はいないと思いますが、薄力粉の原料は「小麦」で、片栗粉の原料は「ジャガイモ」です。

ジャガイモが原料なのに、なんで「”片栗”粉」?

もともとは、カタクリというユリ科の植物の根から抽出したでんぷんで作られていたからよ。
ジャガイモが大量に栽培されるようになってからはほとんどがジャガイモになったけれど、昔の名残で「片栗粉」と呼んでいるの。
薄力粉は小麦を細かい粉状になるまで挽いたもので、その中でもたんぱく質が少なめな小麦品種が使われたものが薄力粉と呼ばれます。(たんぱく質が多いものは、中力粉や強力粉。)
一方で、片栗粉はジャガイモをすりつぶして液体と固形分に分け、固形分に含まれるでんぷんを抽出して作られており、製造方法も薄力粉とは全く異なるのです。
溶けやすさの違い
薄力粉は水に溶けやすくすぐに混ざり、一度混ざると分離することはありません。
しかし片栗粉は水に溶けにくいため、一度はきれいに混ぜたつもりでも、そのまま放置しておくと分離して片栗粉が沈殿してしまいます。

確かに水と混ぜた感じは全然違いますね!
薄力粉は水で溶くとその時点で粘り気があるけれど、片栗粉はサラサラしてますし。

ちなみにどちらも糊化が始まる温度は60~65度だから、熱いお湯やソースの中に直接ドサッと入れるのはNGよ。
入れた瞬間に団子状になっちゃうからね。
透明感の違い
薄力粉と片栗粉は料理のとろみ付けに使われることも多いですが、出来上がった際の透明感にも、違いが出ます。
薄力粉の場合は、加熱しても水で溶いた時と同じように白濁したままなのに対して、片栗粉は加熱すると透明になります。
薄力粉はシチューなどもともと透明感のない料理に、片栗粉はあんかけなど透明感が重要な料理に使われるのも、納得ですね。
風味の違い
薄力粉は、小麦独特の香ばしい香りがあり、加熱するとより一層それが強くなります。
一方で、片栗粉はほぼ無味無臭。
食感の違い
唐揚げやソテーの衣に使う場合、薄力粉を使うと表面はカリッと、中はフワッとした食感になります。
片栗粉の場合は、まんべんなくサクサクとした軽い食感に。
ただしソースやあんと絡める場合、薄力粉はある程度カリっとした食感を保つのに対して、片栗粉はソースとなじんでしっとりします。
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薄力粉と片栗粉の代用
ここまでの違いを踏まえたうえで、「薄力粉と片栗粉は代用可能なのか」についてお答えします。

その答えは…ずばり「料理による」よ。
例えば、揚げ物に使う場合は食感や風味が多少変わるだけなので、代用はOKです。つくねなどのつなぎに使う場合も、大きな違いはなく代用することができます。
料理のとろみ付けに関しては、個人の好みと許容範囲次第といったところですね。例えばカレーやシチューに片栗粉を使うと、片栗粉独特のもっちりとしたとろみになってしまうため、人によってはちょっと苦手かもしれません。
逆にあんかけを薄力粉で作ることもできますが、強いとろみをつけるには多量の薄力粉が必要になりますし、薄力粉は水に溶いた時点で粘り気が出てしまうため、ダマになりやすいです。加えて、仕上がりが白濁して見た目が…というのも難点。
そしてお菓子作りと言えば薄力粉ですが、中には片栗粉を使って作るケーキやクッキーなんてものもあります。しかしそれはもともと片栗粉用のレシピを使ったものなので、薄力粉のレシピをそのまま片栗粉で代用…というわけにはいきません。
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まとめ
薄力粉と片栗粉は似ているようで、役割や性質がかなり違います。揚げ物の衣やつなぎ以外の目的で代用する場合は、それ専用のレシピをしっかりと確認してから代用しましょう。

ちなみに私が実際にやってみた結果は…
☑つくねのつなぎ…どっちでも美味しい
☑シチューのとろみ…片栗粉だと水っぽくていまいち
☑あんかけ…薄力粉だと粉っぽくていまいち
☑クッキー…美味しいけど食感がかなり違う
好みの問題も大きいので、興味がある人はもし「薄力粉(片栗粉)がない!」となったときに、試してみてください。