「十分」と「充分」の違い

十分,充分,違い 言葉雑学
言葉雑学

同じ読み、同じような意味の言葉でも、違う漢字で表される言葉はたくさんあります。

「充分」「十分」もそのうちの一つ。

 

えりこ
えりこ

どっちも読み方は「じゅうぶん」だよね。

本藤ツトム
本藤ツトム

そうですね。

そして「十分」「充分」の場合は、意味も全く同じなんですよ。

えりこ

じゃあなんで、わざわざ「十分」「充分」って二通りの漢字があるの?
どっちか片方で良くない?

本藤ツトム

「充分」の「充」は常用漢字ではないので、公文書では使えないというのが大きな違いです。

 

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「充分」と「十分」の違い

えりこ

「硬い」と「固い」みたいに、読みが同じで意味も似ていても、使い方はちょっと違うってことはないの?

本藤ツトム

さっきも言いましたが、「十分」と「充分」の場合、意味も全く同じで、どちらも「不足がなく満ち足りていること」を表します。

元々、先に生まれたのは、数が満ち足りていることを表すための「十分」という言葉でした。

しかし「充」という字も「充ちる(=満ちる)」「充足」「充実」と言った使い方をされることから、全く同じ意味で「充分」という言葉が誕生したとされています。

 

えりこ

ということは、もとからある「十分」のほうが、どちらかと言えばスタンダードということかな。

本藤ツトム

そうですね。

どちらが間違いということはありませんが、一般的には「十分」の方を使うケースが多いです。

 

「充分」は公文書では使えない

本藤ツトム

先ほど「どちらを使っても間違いということはない」と言いましたが、「充分」という表記が使えないケースがあります。

えりこ

どういうこと?

本藤ツトム

「充」という漢字は常用外漢字なので、公文書に使うことができないんですよ。

 

常用外漢字というのは、国が「日常生活ではあまり使わない」と定めている漢字のことです。

 

本藤ツトム

つまり個人の書き物や普段の生活で使う分には、「充分」でも「十分」でもどちらを使っても問題ありません。

しかし公文書に限っては、「充分」という表記を使わず、「十分」で統一しなければいけないということです。

えりこ

「充」が常用外漢字だったなんて、初めて知ったよ。

 

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「充分」と「十分」を使い分ける

えりこ

う~ん…。

でも常用漢字か常用外漢字かの違いしかないから、もう日常生活でも「十分」に統一してしまえばいいのに、と思うんだけど。

本藤ツトム

えりこさん、普段あんまり本を読んでないでしょう。

えりこ

フフン!

私だって、年に2冊くらいは読んでるんだから!

本藤ツトム

よくそのペースでドヤ顔ができましたね。

本藤ツトム

確かに本来の「十分」「充分」には常用漢字かそうでないかの違いしかありませんが、文章で何かを表現したい意図がある場合に限っては、それぞれ違ったニュアンスで使い分けられるケースもあるんですよ。

 

「十分」は数値的・物理的な満足

「十分」には「十」という数字が使われていることから、数値的・物理的に満たされている場合に使われることが多くあります。

 

本藤ツトム

例えば、こんな時に「十分」がよく使われます。

・十分な材料が揃った
・これだけあれば十分お腹いっぱいになる
・10人もいれば十分だ

 

「充分」は精神的な満足

数値的・物理的な満足を表す「十分」に対して、「充分」は「満ち(充ち)足りている=満足している」というイメージから、精神的なものが満たされたときに使われることが多いです。

 

・充分に堪能した
・お気持ちは充分に頂きました
・充分すぎるお言葉です

 

えりこ

あっ、確かに、気持ちを表すときには「充分」が使われていることが多いかもしれない!

 

「十分」と「10分」の区別のための使い分け

物理的・数値的なものと精神的なもの以外にも、充分と十分が使い分けされるケースがあります。

それは時間の「10分」と紛らわしい場合です。

 

本藤ツトム

例えば、

 

「この魚は十分焼いてください」

 

と書いてあったら、迷わないですか?

 

えりこ

確かに!

「しっかりと焼いてください」って意味なのか、「10分間焼いてください」って意味なのか、わかりづらい!

本藤ツトム

こういう時には、

 

「この魚は充分焼いてください」

 

というふうに「充分」を使うことで、誤って伝わるのを防ぐことができるんですよ。

 

●他の例文

・残り時間はまだ十分ある
→残り時間はまだ充分ある
・十分に人を集めておいてください
→充分に人を集めておいてください

 

「十分」を「充分」に置き換えることで、「残り時間が10分なの?」「10分に集合すればいいの?」など、間違って伝わってしまうのを防ぐことができるというわけですね。

 

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まとめ

「十分」と「充分」を必ず使い分けなければならないのは、公文書の場合のみです。

しかし表現としての「十分」「充分」の違いや、誤読を防ぐための使い分けを意識すると、よりわかりやすく伝わりやすい文章になるので、覚えておいて損はありません。

 

えりこ

いや~また一つ賢くなっちゃったな。

本藤くんに、お礼のメールを送っておこう。

えりこ

もとふじくんのおかげで、じゅうぶんにりかいできましたよ…っと。

 

 

本藤ツトム

えりこさんからメールだ。

なになに…

本藤ツトム

藤くんのおかげで、重文に理解できましたよ。」

本藤ツトム

誤字がヒドイ!!!!!

一体何を理解したんだか…!!

 

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