女性には欠かせないファッションアイテムである「タイツ」と「ストッキング」。
どちらもよく似ているので、日ごろ使い慣れている人ならその違いがわかりますが、あまり使い慣れていない人だと「タイツとストッキングって何が違うの?」と混乱しますよね。

私もタイツもストッキングも履きますけど、具体的にどう違うのかと聞かれると…

薄手のものがストッキング、厚手のものがタイツですか?

そうね、ストッキングとタイツは、厚みによって区別されていることが多いわ。

だけど元々は、全く別の用途のアイテムとして作られたものだったのよ。
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タイツとストッキングの違い

タイツとストッキングって、厚さ以外は見た目もほぼ同じなのに、元々の用途が違ったんですか?

そうよ。
タイツは衣服、ストッキングは靴下として生まれたものなの。
タイツ
タイツは今でこそスカートなどの下に履くものと言う認識が強いですが、元々は腰からつま先までの肌にピッタリとフィットする衣服を指すものでした。
つまり、バレエダンサーが履いているような、それ一枚で履いてもOKな”衣服“がタイツなのです。

確かに、14世紀ごろのヨーロッパの貴族って、ズボンのようにタイツを履いているイメージがありますね…。

それがだんだんと防寒用のファッションアイテムとして広まっていったのが、現在のタイツなの。

元々が”衣服”だから、今でもタイツは比較的厚手で透けないものとして定着しているのよ。
ストッキングとは
タイツが衣服であるのに対して、ストッキングは透け感のある薄手の靴下のことを指します。
現在ストッキングと言えば、タイツのように腰からつま先まである「パンティストッキング(いわゆるパンスト)」が一般的になっているため、タイツと全く同じもののように思われがちですが…
元々ストッキングは普通の靴下のように、ひざ下やくるぶし丈のものの方が一般的でした。
あってもせいぜい太もも丈のガーターストッキング。

短い丈のストッキングの存在は知っていましたけど、私はてっきり、パンストだとトイレとかちょっと面倒だし、簡略化したのが短い丈のストッキングだと思ってました…。

パンストのほうが、後からできたんですね。

ストッキングの原型(=編まれた靴下)が登場したのが16世紀ごろ、それに対してパンストが生まれたのは、1960年代に入ってからよ。

ミニスカートファッションが流行したのをきっかけに、パンストも爆発的に広まっていったの。
厚みによるタイツとストッキングの分け方
前述のとおり、タイツとストッキングの起こりはそれぞれ異なるものの、現在では「厚さ」以外の違いはあまりありません。(メーカーによって、糸の編み方で変わることはありますが)

それじゃあ具体的に、どのくらいの厚さがタイツとストッキングの分かれ目なんですか?

はっきりとした決まりがあるわけではないんだけど、一般的には
・ストッキング⇒30デニール未満
・タイツ⇒30デニール以上
という基準で区別されることが多いわ。

ただしメーカーによっては、「20デニールのタイツ」や「30デニールのストッキング」なんてものもあったりするわよ。

じゃあ結局のところ、タイツかストッキングかはメーカーがどう呼ぶかの違い、ってことですか?

そういうことになるわね。
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マナーに合わせて選ぶ

まぁタイツとストッキングは厚さの違いしかないなら、自分が好きな時に好きなほうを履いたらいいってことですね。

それは違うわ。

普段はどっちを履いても自由だけど、フォーマルな場においては、薄手のストッキングを着用するのがマナーなの。

結婚式やお葬式ではストッキングってマナーは知ってますけど…
でも「厚めのストッキングなんです~」って言い張れば、大丈夫なんじゃないですか?

さっきも言ったように、タイツはあくまでも衣服なの。

感覚的には、ドレスの下にズボンを履いてフォーマルな場にいるということになるわ。

あなたが仮に「これはストッキングです」と言い張ったところで、他人からタイツに見えてしまえば、それはNGなのよ。

き、気を付けます…。
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タイツやストッキングと似たアイテムの違い

私、タイツっぽいものは全部タイツって呼んじゃうんですけど、レギンスとかトレンカとか、似たようなのが色々ありますよね。

あれって、タイツと何が違うんですか?

おばあちゃんみたいなこと言ってるわね…。
まだアラサーなのに、ちょっと枯れすぎじゃない?

せ、せめて「おばちゃん」って言ってください…。
スパッツ
スパッツというのは、体にフィットする柔軟な素材を使ったボトムス全般のことです。
スポーツの時に履くぴったりとしたボトムスなどもそうですね。
スパッツという名称は和製英語なので、海外では通じません。
英語では「レギンス」と呼ばれています。

簡単に言えば、タイツの足先がないものが、スパッツってことね。

長さは関係ないんですか?

足首まであるものでも膝丈のものでも、全部スパッツよ。
レギンス
レギンスは、じつは元々はスパッツと全く同じものを指します。(前述のとおり、スパッツの英語名がレギンス。)
日本ではスパッツとして定着していたものを、新しい呼び方で流行らせたものが、レギンスなのです。

ただし最近では、スパッツとレギンスでは微妙なニュアンスの違いも生まれているわ。

スパッツはスポーツで使われるものや、比較的丈が短めのもの。
レギンスは丈が長め(ひざ下~足首)で、女性の日常的なファッションアイテムとして使われるものを指すことが多いわ。
トレンカ
トレンカというのはレギンスの一種で、土踏まず部分に引っ掛ける部分があるのが特徴です。
タイツからつま先とかかとを切り取ったもの、と表現してもいいですね。
パンプスやサンダルなど、足の甲やかかとが見える靴と合わせて使われるのが一般的です。

トレンカを初めて履いた時は「中学生の時のジャージみたい!ダサッ!」と思いましたけど、他の人が履いていると脚も長く見えるし、じつはすごく便利なアイテムですよね。

ジャージと同じように見えたのは、単にあなたのファッションセンスのせいでは?

ひっ、ひどい…。
まとめ
タイツとストッキングの大きな違いは「厚さ」です。
気候やファッションによって、その時々に合った方を使いましょう。
ただし、フォーマルな場においては、きちんとストッキングを着用してください。

最近気になっているのは、1200デニールの裏起毛極厚タイツです。

厚みが増すとタイツの美しいラインが失われがちだけど、最近は防寒と美しさ、両方兼ね備えた商品も多いから、ありがたいわよね。

美沢先生でも、防寒とか気にするんですか?

そりゃあするわよ。
基本的にスカートは膝上しか履かないし。

(…私は極厚タイツの上に、さらに裏起毛ジーンズを重ね履きしているなんて言えない…)