人は基本的に「右利き」か「左利き」のどちらかですが、中には「クロスドミナンス」と呼ばれる人もいます。
「両利き」と混同されがちですが、クロスドミナンスは状況によって利き手が異なるというのが特徴です。
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クロスドミナンスとは
「クロスドミナンス」というのは、基本は右利きだけれど、ある動作に関しては左のほうが使い勝手が良い、というようなケースのことです。例えば、以下のような場合。
・字を書くのは右手だけど、箸を持つのは左手
このように、状況によって右利きと左利きが変わるのがクロスドミナンス。
「両利き」と同じと思われがちですが、厳密には違います。両利きというのは、「右手でも左手でもどちらでもできる」ことを指しているので、上の例で言えば
・右手でも左手でも字が書ける
・右手でも左手でも箸が持てる
というのが両利きです。
クロスドミナンスのあるある状況
クロスドミナンスは耳慣れない言葉ですが、じつは「確実に私は右利き(左利き)」と思っている人でも、クロスドミナンスである可能性があります。
こんな状況に、心当たりはありませんか?
・ボールを投げるのだけは左手(右手)
・フライパンを振るのは左手(右手)
・電卓を打つのは左手(右手)
・伝票をめくるのは左手(右手)
・ゴムをくくるのは左手(右手)
・歯を磨くのは左手(右手)
などなど。一つくらいは、当てはまる人も多いのでは?
ちなみに筆者は右利きですが、フライパンを振るのだけは左手じゃないとうまくできません。右手だと、力加減ができずにチャーハンがこぼれたり、逆に全然混ざらなかったりする始末。
クロスドミナンスになる理由
クロスドミナンスは、後天的にそうなることがほとんどです。例えば、左利きの人が「字は右手で書きなさい」と矯正された場合、字だけは右手でしか書けないというクロスドミナンスとなります。
世の中は右利き基準で作られているものが多いため、左利きの人は自然とクロスドミナンスとなることが多いようです。
また、右利きの人でも、環境によってクロスドミナンスとなることは多々あります。例えば筆者が「フライパンを振るのは左手」となったのは、おそらくフライパンを振る際には必ず右手で菜箸なりヘラなりを持って作業をしていたため、自然と左手でフライパンを振るというのが定着したのだと思います。
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利き手に関する雑学
右利きと左利きの割合
右利きに対して、左利きがどのくらい少ないのかと言うと…割合で言えば9:1。もちろん、右利きが9割、左利きが1割です。どうしてこんなにも比率が偏っているのか。その理由には、
・「人類は左脳が発達しているから」説
・「親からの遺伝」説
・「心臓を守るため」説
の3つがあります。
「人類は左脳が発達しているから」説
人類は高い知能、特に言語能力を持つことによって、発達してきた生き物です。そして脳全体のうち、言語を司っている言語中枢があるのは、左脳です。
左半身を動かしているのは右脳、右半身を動かしているのは左脳であるため、言語の取得によって左脳が発達する=右半身の動きが優位になるという現象が起きているのではないか、という説です。
左利きの人に天才肌が多いと言われるのも、イメージ力や直感・ひらめきを司る右脳のほうが活発なので左半身の動きが優位なのではないか、または左手をよく使うことによって右脳が活発化しているからではないか、とも言われているのです。
「親からの遺伝」説
これは「両親が右利きだと、生まれる子供も右利きになることが多い」ということから、考えられた説。もともとの母数として左利きのほうが少なかったため、自然と右利きのほうが増えていったのではないか、ということです。
「心臓を守るため」説
人間の心臓は、通常、左胸にありますよね。(実際はほぼ中央ですが)。そのため、相手と面と向かって戦うという時に心臓を守るのは、より心臓に近い左手の役割。
ということは、自然と武器などを扱うのは右手と言うことになり、そういった経験則から右利きの人の方が多いのではないか、という説があります。
左利きだと使いにくいもの
世の中のほとんどのものは右利き用に作られているため、「左利きだと使いにくいもの」に気付きにくいです。左利きだと使いにくいものには、例えばこんなものがあります。
・しずく型レードル(スープ用のお玉)
・自動販売機のお金投入口
・駅の改札
・手帳型のスマホケース
・ドアノブ(特に回すタイプ)
・右側に小さなテーブルのついた椅子
・腕時計のリューズ
・デスクの引き出し
・缶切り
・カメラのシャッター
・急須(持ち手が棒みたいなタイプのもの)
・メジャー
利き手フリーなアイテム紹介
こちらの急須は注ぎ口が2つあり、右手でも左手でも使いやすい仕様に。