何時間も煮込まなければできない料理でも、たった数十分で柔らかーくできてしまう圧力鍋。一体どういう仕組みで、短時間調理ができているのか、不思議ですよね。
圧力鍋を使うと短時間で料理が作れるのは、圧力をかけることによってより高い沸点で調理ができるからなんです。
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鍋の仕組み
通常、沸騰した水分は水蒸気となって空気中に散っていきますが、圧力鍋はガッチリと蓋をしてしまうことで、水蒸気を逃さない構造になっています。そのため、逃げ場を失った水蒸気によって鍋内部の圧力はどんどん上がっていく、という仕組みです。
圧力と沸点の関係
水の沸点というのは、通常だと100℃です。しかしそれは地上での1気圧での沸点。例えば気圧の低い富士山の山頂では、水の沸点は87℃となります。逆に圧力の高い状態では、100℃になっても水は沸騰しません。
この性質を利用したのが圧力鍋で、強い圧力をかけることによって沸点を高めることができ、120℃前後の温度で調理することができるのです。
圧力鍋を使う時の注意点
身近な調理器具ではありますが、圧力鍋は使い方によってはケガにもつながる危険性があります。実際に、圧力鍋によりケガをしたり、死亡した例というのもあります。
基本的に正しい使用方法を守れば問題ありませんが、間違った使い方をしたり、メンテナンスを怠っていたりした場合には、危険性が上がってしまいます。
圧力鍋のメンテナンス
圧力鍋を使う際に大切なのは、日々のメンテナンスとチェック。使用前にはきちんと問題なく使える状態であるかどうかをチェックし、使用後は丁寧にメンテナンスを行ってください。
特に上の3つに不具合があると大きな事故につながりやすいため、必ず確認してください。
圧力鍋で調理してはいけない食材
例えば、圧力鍋NGの食材・料理には以下のようなものがあります。
カレーやシチュー、多量の油や酒など
餅や練り製品(ちくわ・かまぼこ等)など
豆類など
パスタなどの麺類
これらはどれも調理中に調圧弁を内側から塞いでしまう可能性があるので、注意が必要です。調圧弁というのは、調理中に鍋内部の圧力が一定に保たれるように調節してくれる働きがあるため、ここが塞がれると、内部の圧力がどんどん高くなり、鍋が変形したり最悪の場合は破裂したりすることもあります。
カレーやシチューを作る際には、圧力をかけ終わった後にルーを入れたり、膨らみやすい食材の場合は量を少なめにするなどの工夫をしましょう。
途中で蓋を開けるのはNG
圧力鍋は火を消した後でも、圧力が完全に抜けきるまでは、決して蓋を開けてはいけません。圧力が抜けるまでは蓋が開かないようになっているものがほとんどですが、無理やりにでも開けようとしてしまうと、開けたとたんに蓋がはじけ飛んでしまう危険があります。
きちんと圧力が下がりきるまで、待ちましょう。
素早く圧力を下げる方法として、水をかけたりする「急冷」という方法もありますが、急冷によって鍋が変形したり中身が弁から出てきてしまうこともあるため、あまりおすすめできません。