小麦粉やバターを主材料として作られたサクサクの焼き菓子と言えば…「クッキー」や「ビスケット」ですよね。
どちらも材料や見た目に大きな違いはないので、
「クッキーとビスケットって何が違うんだろう?」
と疑問に思っている人も多いでしょう。

確かに、クッキーもビスケットも、見た目じゃ全く違いがわからないですね…。

なんとなくですけど、縁が波のような形になっているのが、ビスケットってイメージがあります。

クッキーとビスケットの違いは、見た目じゃないわよ。

クッキーとビスケットの違いは、使われている材料の配合の違いなの。

えっ!?
味に違いなんて無いように思えるんですけど…。
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クッキーとビスケットの違い

じつは、元々はクッキーもビスケットも、全く同じものだったのよ。

なんで同じものなのに、わざわざ違う呼び方に…?

その理由は、日本におけるビスケットとクッキーの歴史を紐解いていけばわかるわ。
クッキーとビスケットの変遷
クッキーとビスケットは、どちらも小麦粉・バター・卵・砂糖などを材料として作られた焼き菓子のことを指します。
そして戦前までの日本では、そういった焼き菓子のことは総じてビスケットと呼んでおり、クッキーと呼ぶことはありませんでした。

ただし昔のビスケットというのは、今のように美味しいおやつとしてではなく、保存食としての役割が強かったの。

味や栄養は二の次で、「安く買えて(作れて)とにかく日持ちがする」というのが、ビスケットという食べ物だったのね。
それが戦後になると、従来のビスケットとは違い、バターや砂糖をたっぷりと使った高級なビスケットが作られるようになっていきます。

でも見た目に大きな違いがない以上、「これは美味しいビスケットですよ」と言って売っても、「ただの保存食でしょ?」と思われちゃうわよね。

逆に高級なほうのビスケットだと思って高いお金出して買ったら、中身は今までと同じで「騙された!」ってのもありそうですよね。

そこで従来のビスケットと高級なビスケットをはっきりと区別するために、バターや砂糖たっぷりのビスケットのことを「クッキー」と呼び分けるようになったのよ。

クッキーって、今ではお手軽なおやつって感じですけど、かつては高級品だったんですねぇ…。

今は乳製品が高い高いと言われつつも、バターひと箱300~400円くらいよね。

昭和30年代なんて、今の価値に換算すると、ひと箱1000円以上もしていたのよ。

そりゃ庶民には手が出せない、セレブな食べ物になりますね…!
全国ビスケット協会によるクッキーとビスケットの違い

でも安価だとビスケット、高級だとクッキーって区別は、けっこう曖昧ですよねぇ。

作った人の判断次第ってことになるんですか?

各家庭や個人のお店で作る場合はそうね。
だけど大手お菓子メーカーの場合は、はっきりとした基準が決まっているわ。
安価だとビスケット、高級だとクッキーというのはとても曖昧な区別ですが、これをはっきりと区別する決まりを作っている団体があります。
それが全国ビスケット協会。
全国ビスケット協会によると…
→クッキー
→ビスケット
というふうに定められています。

大手お菓子メーカーのほとんどは、全国ビスケット協会に加盟しているからね。

市販のお菓子のほとんどは、この基準に沿って区別されているの。

今まで全く気にしたことがなかったですけど、そんな区別がされていたんですね。
サブレとの違い

クッキーやビスケットとよく似たお菓子に、「サブレ」ってありますよね。

サブレと、クッキーやビスケットとは何か違うんですか?

サブレの特徴は、クッキーやビスケットよりもショートニングやバターの割合が多く、ベーキングパウダーが使われていないってところね。

だからクッキーやビスケットに比べて、サクサクとした軽い食感になっているの。
「バターが多い=脂肪分が多いからクッキーなのでは?」
と思われるかもしれませんが、ビスケットやクッキーにはベーキングパウダーが使われているのに対し、サブレにはベーキングパウダーが使われていないのが大きな違いです。
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国によるクッキーとビスケットの違い
日本におけるクッキーとビスケットの違いをまとめると、
・ただし菓子業界においては油分・糖分40%が分かれ目となって区別される
というのが現状です。
しかし海外でも全く同じなのかと言えば、そうではありません。
アメリカではすべて「クッキー」

例えばアメリカの場合だと、ビスケットのようなお菓子のことは全てクッキーと呼ぶのよ。

じゃあ、アメリカにはビスケットという食べ物は無いってことですか?

アメリカでは、ビスケットと言えば、クッキーよりも柔らかくてパンに近いもののことをそう呼ぶの。
→すべてクッキー
→ビスケット

クッキーよりも柔らかくて、パンに近いもの…
あまり想像がつきませんね。


こういうやつよ。

ケンタッキーのサイドメニューにも、「ビスケット」ってあるでしょ。

あっ!あのスコーンみたいなやつ!!

あれがアメリカでの「ビスケット」なの。

ケンタッキーのビスケット、「なんでビスケットって名前なんだろう?」って、ずっと疑問でした…。
イギリスではすべて「ビスケット」

アメリカとは逆に、イギリスではクッキーやビスケットのような焼き菓子は、すべてビスケットと呼ばれているわ。

じゃあアメリカで言うビスケットが、イギリスではクッキーって呼ばれてるんですか?

イギリスにはクッキーという食べ物…というか、クッキーという言葉自体がないのよ。
→すべてビスケット
→スコーン

アメリカでいうビスケットは、イギリスでは「スコーン」ね。

国によって、ビスケットやクッキーが何を指すかは全然違うんですね。
フランスではすべて「サブレ」

フランスではクッキーとビスケット、どうやって呼び分けているのかな。

フランスでは、クッキーやビスケットのような焼き菓子は、すべてサブレと呼ばれているわ。
→すべてサブレ

これまた日本と違うんですね!

国によって、ここまで呼び方や定義が異なる食べ物って、他にないんじゃないでしょうか…。
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まとめ
クッキーとビスケット、なんとなく呼び分けているだけかなと思っていましたが、日本のお菓子メーカーでははっきりとした定義があったんですね。
今度市販のクッキーやビスケットを購入する時は、「クッキー」と名前がついているものと、「ビスケット」と名前がついているもので、食べ比べをしてみても面白いですよ。