和食や中華料理に欠かせない「片栗粉」。片栗粉を使ってとろみをつける料理はたくさんありますが、
・とろみがつかない
・いつの間にかとろみがなくなってしまった
・ダマになってしまった
というようなトラブルも付き物。そんなトラブルを回避するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
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片栗粉のとろみがなくなるのはなぜ?
せっかく片栗粉でとろみをつけようと思っても、
・思うようにとろみがつかない
・時間が経つととろみがなくなってしまう
と頭を悩ませたことがある人も多いでしょう。とろみをつけるのは大体が料理の最終段階なので、作り直しも難しいです。後からのリカバリーが難しいため、はじめからとろみ付けに失敗しないことが重要!
加熱不足
まず片栗粉のとろみがつかない原因として考えられるのは、加熱不足です。片栗粉で液体にとろみがつくのは、片栗粉を加熱することによって、片栗粉に含まれているでんぷんが糊のように固まるから。
逆に言えば、しっかりと過熱をしないと、きちんとしたとろみはつかないということです。
片栗粉でしっかりととろみをつけるための加熱時間の目安は、煮立った状態で1分。加熱のし過ぎもまた失敗の原因となる(水分が飛びすぎて団子状になってしまう)ので、とろみをつけている最中は、鍋から目を離さないように。
水分過多
出来上がりをすぐに食べるのならあまり問題はありませんが、完成してから少し時間を置いてから食べる場合、食材から出る水分にも注意が必要です。例えばモヤシや葉物野菜などは、時間が経つとジワジワと水分が染み出してきます。
そのため、しっかりととろみをつけたつもりでも、時間が経つにつれてとろみが緩くなってしまうんですね。これを防ぐためには、食材はあらかじめしっかりと火を通して水分を飛ばしておくことや、とろみをつけた後はなるべく加熱しすぎないということが大事。
お弁当のおかずなどの場合は、あらかじめ少し強めにとろみをつけておくのもいいです。
唾液の消化酵素
人の唾液には「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。アミラーゼはでんぷんを分解して糖に変換する役割を果たしているのですが…
そう、片栗粉はでんぷんの塊。
つまり、唾液の付いた箸やスプーンを片栗粉でとろみをつけたものの中に入れると、アミラーゼの働きによって、でんぷんがどんどん分解されていってしまうのです。
片栗粉でとろみをつけた料理を食べる時には、とりわけ用のお皿やスプーン・箸を用意して、直接唾液が料理に入らないようにすることで、とろみがなくなるのを防ぐことができます。
片栗粉がダマになるのはなぜ?
とろみがつかないという悩みとは反対に、片栗粉には
・ダマになってしまう
・固くなりすぎてしまう
と言った悩みもつきもの。これらの悩みを解消するために、気を付けるべき点があります。
片栗粉はよく溶かしてから
片栗粉がダマになる原因で最も多いのが、片栗粉がよく混ざっていないという理由です。片栗粉はとても水に溶けにくいので、使う直前ではなく、30分ほど前から混ぜておくのがおすすめ。
それでも大部分は沈殿してしまうので、使う直前にしっかりと混ぜてから使ってください。水で溶かずに粉のまま入れるなんてのは言語道断で、混ざりきる前に粉の周辺だけモチのように固まってしまうので注意。
火を止めてから入れる
グツグツと煮立っているところに水溶き片栗粉を入れると、入れたところからすぐに固まってしまうため、うまく混ざらず片栗粉が濃い場所だけがダマになってしまいます。
中華料理のプロなどは、煮立ったところに入れても失敗しない技術を持っているのですが…一般家庭では、一旦火を止めてから(もしくは弱めてから)水溶き片栗粉を入れるのが無難です。
他にも、
・少量ずつ入れる
・(鍋の中を)混ぜながら入れる
・入れ終わったあともしっかりと混ぜる
・混ぜるのは箸よりも木べらやお玉がおすすめ
などのポイントに気を付けると、ダマにならずにとろみをつけることができます。
加熱しすぎに注意
片栗粉は加熱が足りなくてもとろみが足りなくて困りますが、加熱のし過ぎも厳禁です。水分が飛びすぎてしまうと、とろみというよりも団子の塊のようになってしまうことがあります。
前述のように1分以上は加熱する必要がありますが、それ以上は様子を見ながら、加熱をやめるタイミングを見極めましょう。
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片栗粉のとろみトラブルを回避する商品
上手くとろみがつけられない、といった悩みを解決するために、片栗粉を販売するメーカー側も努力を重ねています。その結果生まれた商品たちがこちら。
日清水溶きいらずのとろみ上手
片栗粉を水で溶くと、溶くための水分量も考慮して、とろみの強さや味つけを変えなければいけません。しかしこの商品は水溶きせずにそのまま料理に振りかけて使えるため、味付けや水分の調整がより簡単になります。
実際に使ってみて、さらに便利だなと思った点は、
★とろみの調節がらくちん(ゆるいなと思った時に足しやすい。水溶き片栗粉では、増えた分の水分によって味の調節をし直す必要がある。)
★ボトルサイズが小さいので、塩コショウやパセリなどといった調味料の小瓶と一緒に、引き出しに収納できて便利。
もう一つ、同じく水溶きなしで使えるタイプの片栗粉がこちら。
顆粒片栗粉・とろみちゃん
とろみちゃんも、料理に振りかけるだけで使えてとても便利。顆粒タイプで内容量も多いため、大皿料理などで一度にたくさん使いたい場合に向いています。
「水で溶かなくていい」というたったこれだけのことですが、ぶっちゃけ一度使ってみると、もう普段の水溶き片栗粉には戻れないかな…と思うほど便利。気になる人はぜひ一度使ってみて!