植物や花には、漢字にすると読み方が難しいものがたくさんあります。例えば「満天星躑躅」「百日紅」「蒲公英」「風信子」など。あなたは、すべて読めますか?
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読み方の難しい漢字
百日紅
木通
あけびの果実は熟れると裂けることから「開け実」が転じて「あけび」。あけびの蔓には細かい孔があり、吹くと空気が通るので、「木通」という漢字が使われています。漢方にも使われており、その場合はそのまま「モクツウ」と呼ばれます。
翌檜
檜(ヒノキ)に良く似ていることから、「明日には檜になろう」ということで「あすなろ」という名前に、漢字は「翌檜」になったという説が一般的ですが、これは俗説であるとの意見も。
無花果
1日に1つ熟すことから「一熟」が転じて「いちじく」と呼ばれるようになったという説がよく聞かれますが、名前の由来に関しては諸説あり。「無花果」という漢字は中国名からきており、いちじくは果実の中に花が咲く(内側のツブツブの部分)ため、はた目には花が咲かないまま実が成っているように見えることから、この漢字が使われています。
女郎花
小さな黄色い花が集まって咲く様子が「粟飯(あわめし)」に似ていることから、粟飯の別名「女飯」が転じて「おみなえし」になったという説がありますが、他にも諸説あり。小さく可愛らしくとても女性的なイメージの花であったため、「女郎花」という漢字が当てられたと言われています。
ちなみに、女郎花とよく似た花で、若干大きい「男郎花(おとこえし)」という植物もあります。
梔子
果実が熟しても裂けることがないため、「口を開かない=口無し」と呼ばれるようになったと言われています。「梔」一文字でくちなしを表す漢字。ちなみに将棋盤や囲碁盤の脚はくちなしが象られたものが多いのですが、これは「第三者は口を出すな」という戒めが込められているとされています。
山茶花
葉っぱをお茶のようにして飲むことができるので、「山に生えるお茶のような木とその花」ということで、「山茶花」という漢字が使われるようになりました。「山茶花」はもともと中国語なので、中国語読みの「サンザクヮ」が転じて「さざんか」と呼ばれるようになったと言われています。
石楠花
中国では南向きの場所で石の隙間から生える「石南」という植物があり、これが日本に伝わった際に「石南花(しゃくなんげ)」と呼ばれ、そこから転じて「しゃくなげ(石楠花)」になったと言われています。ただし、中国でいう石南花と、日本のしゃくなげは、じつは別物。
蒲公英
たんぽぽの茎を裂くと反り返って鼓のような形になることから、鼓をたたく音である「タン」「ポポ」が合わさって、たんぽぽと呼ばれるようになったと言われています。漢字は中国語名の「蒲公英(ホウコウエイ)」がそのまま使われていますが、なぜ中国ではこの漢字が当てられているのか、というのは不明。
躑躅
「つつじ」
続けて花が咲く「続き咲き木(ツヅキサキギ)」が転じてツツジとなったという説や、花が筒状になっていることからツツジとなったという説など、名前の由来は諸説あり。「躑」「躅」という漢字はどちらも足踏みをしたり行ったり止まったりするという意味があり、人々が足を止めるほどの美しさ、ということから「躑躅」という漢字が使われたと言われています。
満天星躑躅
「どうだんつつじ」
枝分かれした様子が、灯台(海辺にあるやつではなくて、昔の照明器具である油皿を置く台のこと)に似ていることから、「とうだい」が転じて「どうだん」になったと言われています。また、「満天星」という漢字は「霊薬をこぼした霊水がこの木に降りかかると、無数の壺状の珠となり、それが満天の星のように美しかった」という中国の故事からきています。
合歓木
「ねむのき」
ねむのきは夜になると葉を閉じることから、まるで夜には眠る「眠りの木」ということで、「ねむのき」と呼ばれるようになったと言われています。「合歓木」という漢字は中国語からきており、「歓びが合わさる木」ということで「合歓木」という漢字が使われています。
繁縷
「はこべ」
はこべという呼び名は古い和名である「ハクベラ」や「ハコベラ」が元だと言われていますが、ハクベラやハコベラの由来については不明。「縷」という字には「いとのように長いもの、細かい」などの意味があるため、小さく繁って咲くはこべにはぴったりの漢字です。
風信子
「ヒヤシンス」
ヒヤシンスという名前は、ギリシャ神話の登場人物「ヒュアキントス」からきています。ヒュアキントスから流れ落ちた血からこの花が咲いたという話にちなんで、ヒヤシンスと名付けられました。「風信子」という漢字は、音からの当て字と、風で香りが運ばれる様子を表してつけられたと言われています。
酸漿
「ほおずき」
実が赤く染まった頬に似ていることから「頬つき」が転じて「ほおずき」となったという説や、カメムシ(ホホ)が集まりやすいことから「ホホ付き」が転じて「ほおずき」となったという説など、由来には様々な説があります。「酸漿」という漢字は主に漢方などで使われていますが、その由来は不明。一般的には「鬼灯」と表記されることも多くあります。