数の単位って全部言えますか?一、十、百、千…と増えていき、最後は「恒河沙」「阿僧祇」「那由多」など、一見、数の単位とは思えない言葉が出てきますよね。
なぜこんな単位の名前になっているのでしょうか。その由来は、じつは仏教用語にありました。
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数の単位
単位の名前 |
読み方 |
一 |
いち |
十 |
じゅう |
百 |
ひゃく |
千 |
せん |
万 |
まん |
億 |
おく |
兆 |
ちょう |
京 |
けい |
垓 |
がい |
秭 |
じょ |
穣 |
じょう |
溝 |
こう |
澗 |
かん |
正 |
せい |
載 |
さい |
極 |
ごく |
恒河沙 |
ごうがしゃ |
阿僧祇 |
あそうぎ |
那由多 |
なゆた |
不可思議 |
ふかしぎ |
無量大数 |
むりょうたいすう |
数の単位の由来
恒河沙(ごうがしゃ)の由来
「恒河沙(ごうがしゃ)」というのは、一般的には10の52乗を表す単位とされています。(10の56乗を表すと考える場合もあります。)
日本語としてはあまり耳慣れない言葉ですが、元々は仏教用語から来た名前で、「恒河」はサンスクリット語の「ガンガ(ガンジス川)」を意味しています。つまり恒河(ガンジス川)の砂(沙)のように大きな数ということで、恒河沙という言葉が単位として使われるようになりました。
阿僧祇(あそうぎ)の由来
「阿僧祇(あそうぎ)」というのは、一般的には10の56乗を表す単位とされています。(10の64乗を表すと考える場合もあります。)
こちらも恒河沙と同じ、元は仏教用語のサンスクリット語が由来となっており、サンスクリット語で「数えることができない」という意味を表す言葉から付けられました。
那由多(なゆた)の由来
「那由多(なゆた)」というのは、一般的に10の60乗を表す単位とされています。(10の72乗を表すと考える場合もあります。)
那由多も恒河沙や阿僧祇と同じく、サンスクリット語の仏教用語が由来の元。サンスクリット語で「きわめて大きな数量」という意味を表す言葉「ナユタ」から来ています。
不可思議(ふかしぎ)の由来
「不可思議(ふかしぎ)」というのは、10の64乗を表す単位です。(10の80乗を表すと考える場合もあります。)
不可思議という言葉は数の単位以外でも、「謎めいたことや怪しいこと」という意味で使われていますね。元々は不可思議も仏教用語であり、「仏の力は言葉で表したり推し量れるものではない」という意味がありました。これが転じて、言葉で表せないほど大きい数のことを表す単位として使われるようになったのです。
無量大数(むりょうたいすう)の由来
「無量大数(むりょうたいすう)」というのは、10の68乗を表す単位です。(10の88乗を表すと考える場合もあります。)
これはもう名前から由来がすぐにわかるかと思いますが、「数えられないほど大きな数」を表す単位として、この名前が付けられました。現在、数の単位として一般的に使われるものの中では、最も大きな単位ですね。
世界中の海岸の砂粒をすべて集めても、1000垓粒くらいだと言われています。普段の生活で「無量大数」を使う機会は、まずないでしょう。
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無量大数以上の単位
無量大数と言うと、「無限」のことだと勘違いしている人もいるのではないでしょうか。しかし先ほども紹介しましたが、無量大数と言うのは10の68乗を表す単位。途方もない数ではありますが、当然、それよりも大きい数というものは存在します。
不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)
3世紀にまとめられた「大方広仏華厳経」という書物によれば、「不可説不可説転(ふかせつふかせつてん)」という単位があります。仏典に記されている単位の中では最大の単位とされていますが…なんとこの単位、およそ10の37澗乗を表しています。1の後に0が37澗個つく数字ってことですね。
グーゴルコンプレックス
「グーゴルコンプレックス」は、10の(10の100乗)乗を表す単位です。スケールが大きすぎて、もはやどんな数なのかも想像がつきづらいですが、
・無量大数<不可説不可説転<グーゴルコンプレックス
なので、途方もなく大きい数だというイメージは伝わってきます。ちなみに、アメリカのGoogle社の名前の由来は、数の単位であるグーゴル(Googol)が由来らしい。